はるぱり・そんぐす🎈

東京パリカのブンガク恋慕 はるぱり XII? 

大家さんの庭(3)

大家さんの庭には、大きな銀杏の木がある。わたしの部屋には庭に向かう窓があるから、そこを開け放てば庭が綺麗にみえるけれど、擦り硝子の古い窓を開けることはほとんどない。わたしが銀杏の木を見るのは、大家さんの家の壁に面した方の窓を開けて、壁までの狭いスペースに洗濯物を干すときに、ちょっと顔を出して右上の空をのぞもうとする秋のあかるい時間だけだ。秋のあかるい時間だけだ、と断言してみると、じっさいはそうでもないことに気づく。つい先日も、青々とした銀杏の葉っぱが、右上の空を見上げたら、空のかわりに視界をうめたばかりだった。

すみこさん(6)

すみこさんは、犬がだいすきだった。

大家さんの庭(2)

大家さんは犬と暮らしている。まえの犬が死んで飼いかえても、名前はかえなかったようだ。家賃を払いにいくときに、玄関に並ぶ犬の写真たてにはりつけられたシールにある色あせた文字からわかった。
まえの犬はいまとはちがう、柴犬だったようで、庭には犬小屋がある。日に焼けきって干からびてみえるブルーの屋根のしたにある入口は、閉じられていて、あるときふと気づいたのだが、そのさびしげな扉には、黒いマジックで書かれた「空き家」の文字がある。ぐるりと丸く囲む線もその三文字も、色あせて、見るとなんともさびしいのに、微笑をさそうところがある。

大家さんの庭

物干し竿を渡ってつらなる大家さんの奥さんのおパンツの豪快さがかわいい。

 

豪快でかわいいというのはよい。

 

きょうはお天気。

更新が(11)

更新が

またおいつかなくなってきた

すみこさん(5)

すみこさんは、とても小柄で、細くて、人形のような体格で、あまりたくさんは食べない人だったけれど、甘いものは大好きだった。

一緒にカフェにいくと、かならずデザートを一つたのんで、一緒にたべようと言う。すみこさんもうれしそうだし、わたしも甘党だけに、うれしかった。

すみこさん(4)

わたしがパリに来て知り合ったすみこさんは、すでにすぐれたバレエの伴奏者として生きている人だった。